簿記を始めたきっかけ
子どもが「やってみたい」と言った瞬間
小学3年生になる娘が、ある日ふと「簿記を勉強してみたい」と言い出しました。
私はびっくりしました。簿記といえば社会人や学生が資格取得のために学ぶイメージが強く、小学生が取り組むには難しいのではないかと思ったのです。
けれども、私自身が日商簿記2級を持っていたこともあり、「せっかく興味を持ったのなら一緒に学んでみよう」と思い直しました。好奇心は学びの大きな力。親子で挑戦するチャンスだと感じたのです。
初級からのスタート
ゲーム感覚で楽しめる学び
娘と取り組み始めたのは簿記初級レベルのテキストでした。仕訳や貸借といった基本の考え方を、身近な例を交えながら少しずつ伝えていきました。
すると娘は、まるでパズルを解くような感覚で学びを楽しみ、知らない言葉に出会うたびに「これはどういう意味?」と質問してきます。その姿に、子どもの学びに向かう力の強さを実感しました。
親としての気づき
親の立場から見ても、簿記は早い段階で学ぶ価値が大きいと感じています。数字への抵抗感がなくなるだけでなく、「お金の流れ」「物事の仕組み」を知るきっかけにもなるからです。
初級から3級へ、成長のステップ
基本から本格的な内容へ
初級では「資産」「負債」「収益」といった基本的な言葉を学びます。
娘は「資産って宝物みたいなもの?」「負債は借りているもの?」と、生活の中に置き換えて理解しようとします。その柔軟さに驚かされる毎日です。
次のステップである簿記3級に進むと、試算表や決算の流れが出てきます。小学生にとっては難しい内容ですが、繰り返し解いていくうちに「貸方と借方の関係」を少しずつ感覚でつかみ始めました。
親子で学ぶ楽しさ
私は横で解説役をしながら一緒に問題を解いています。娘に説明する過程で、自分自身も学んだ知識を再確認でき、簿記の奥深さを再発見できるのも大きな喜びです。
簿記がもたらす広がり
日常生活にも役立つ
簿記の魅力は、ただ資格試験のためだけではありません。
数字の整理力が身につくことで、算数の計算スピードが上がり、買い物やお小遣いの使い方でも「収入と支出のバランス」を考えるようになりました。
成功体験が自信につながる
簿記には「ルールに従えば必ず答えが出る」という安心感があります。娘にとっては「努力すれば結果が出る」という経験になり、自信を持つきっかけになっています。
さらに、「経済」や「お金の流れ」に自然と関心を持つようになり、ニュースで聞く言葉にも「これって簿記で習った言葉だね」と気づくことも増えてきました。
これからの学びに向けて
学ぶ楽しさを広げていく
簿記を始めてから、娘は「次はもっと難しい問題にも挑戦してみたい」と言うようになりました。
私は、合格そのものよりも「学ぶ楽しさを知ってほしい」という思いを大切にしています。
他の勉強へもつながる力
小学3年生で簿記を学ぶのは珍しいですが、数字や仕組みに強くなることは、どんな分野にも役立ちます。簿記で育った「知りたい」「挑戦したい」という気持ちは、算数や国語、英語など他の教科にも自然と広がっていくでしょう。
親子で学ぶことの価値
これからも親子で支え合いながら学びを続けていきたいと思います。もし「子どもと一緒に何かを学びたい」と思っている方がいれば、簿記はとても良い選択肢です。小さな挑戦を積み重ねることが、子どもの未来を大きく育てるのだと信じています。